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WANDER×WONDER

お狸さまから絶対秘仏まで!2026年8月8日(土)【浅草寺】ツアーレポート

  • 5 時間前
  • 読了時間: 4分

東京最古の寺院・浅草寺。1400年にわたり信仰を集めてきた境内には、よく知られた雷門や本堂だけでなく、足を止めなければ気づかない場所がいくつもあります。


8月8日に開催したWANDER×WONDERの浅草寺ツアーを、当日の写真とともに振り返ります。


2026年8月8日(土)


案内してくださったのは、日本の宗教文化に潜む謎を探究する「神仏探偵」であり、ノンフィクションライターの本田不二雄さん。真夏の浅草で、普段は見過ごしがちな境内の“裏”と“奥”を案内していただきました。


雷門の大提灯の底にある龍の彫刻とツアー参加者

雷門の大提灯を下から見上げる


まずは、浅草のシンボル「雷門」へ。「雷門」は略称で、正式には風神と雷神を祀る「風雷神門」といいます。

大提灯を下から見上げると、底に龍が彫られていました。雷門を何度も通っていても、真下から見なければ気づきません。


この日は厳しい暑さ。混み合う仲見世を避け、店先から流れる冷気も感じられる脇道を進みました。日陰ではこまめに立ち止まり、本田さんの解説に耳を傾けます。


浅草寺の鎮護堂前で配付資料を手に解説する本田不二雄さんと参加者

鎮護堂の前で配付資料を読む本田さん


立ち寄ったのは、伝法院の一角にある「鎮護堂」。祀られているのは、なんと「お狸さま」です。

本田さんのお話と配付資料によると、上野戦争や浅草奥山の開拓で居場所を追われた狸たちが、伝法院周辺に棲みついていたずらを繰り返したのだとか。やがて住職の夢に現れ、「祀ってくれれば火災から守る」と告げたため、1883年に鎮護大使者として祀られました。


本田さんはこの伝説を、都市化で居場所を失った土地の生きものと、人間が折り合いをつける物語として読み解きます。ただ不思議な話として片づけず、「なぜ、そういう話になったのか」を考える。この読み解き方が、その後のまち歩きの軸になりました。


久米平内堂付近で説明を聞くツアー参加者

久米平内堂付近で解説を聞く参加者


続いては、浅草寺を訪れる人の多くが通り過ぎてしまう「久米平内堂」へ。

久米平内は、多くの人を殺めた罪を償うため、自らの姿を石に刻ませて道に埋め、人々に「踏みつけ」てもらったと伝わる人物です。それがいつしか「文付け」に転じ、恋文や縁結びの信仰へ。言葉の響きから、ご利益まで変わってしまうのが面白いところです。


お堂の扉の隙間を片目でのぞくと、奥に平内の像が見えます。参加者のみなさんも次々とのぞき込み、「いた!」「目が合った」と声を上げていました。


聞いた直後に自分の目で確かめられるのが、このツアーのおもしろいところです。


浅草寺本堂へ向かう本田不二雄さんとツアー参加者

浅草寺本堂へ向かう


浅草寺本堂では、靴を脱いで内陣へ。総金箔押しの御宮殿を巡り、不動明王、裏観音、愛染明王へと順にお参りしました。

御宮殿の中に祀られているのは、誰もその姿を見ることができない「絶対秘仏」のご本尊。そのすぐ近くまで進み、最後は御宮殿のお戸帳の前で「南無観世音菩薩」と三度唱えます。


麦わら帽子をかぶった浅草神社の夫婦狛犬を囲むツアー参加者

麦わら帽子姿の夫婦狛犬


浅草神社では、横に並び、一本の注連縄で結ばれた「夫婦狛犬」にも寄り道。

二体そろって麦わら帽子をかぶる姿に、本田さんは「これはこれでいいのか?」と首をひねりつつ、尻尾がハート形に見えるという隠れた見どころも紹介してくれました。時間が押していても「これはやっぱり飛ばせなかった」という、本田さんお気に入りのスポットです!


投影画像と配付資料を使って浅草観音を解説する本田不二雄さん

写真や図版を使ったトークタイム


散策の後は、配付資料や写真、図版を使ったトークタイム。

漁師の網に何度もかかったという浅草観音は、なぜ水の中から現れたのか。なぜ「見てはいけない」絶対秘仏になったのか。今戸の長昌寺に伝わる「もうひとつの浅草観音」や、明治初年の本尊改めの記録まで、現地で見てきたものを手がかりに、浅草観音の由来を順にたどりました。


ここでは、本田さんが仏像ライターの道に入るきっかけとなった、覆面観音との出会いも紹介されました。

伝説を「ありえない」と切り捨てるのではなく、なぜその土地で、その姿で、その話が残ったのかを調べていく。その姿勢が、本田さんのいう「神仏探偵」なのだそうです。


話は最後に、浅草という土地の成り立ちへ移りました。川と海が運んだ土砂が寄り集まり、人や物資が行き交う土地が生まれたといいます。

本田さんは、古代から現代のインバウンドまで、浅草には人やものを「寄りつかせる引力」があるのではないかと語ります。


お狸さま、久米平内、裏観音、絶対秘仏。3時間歩くうちに、これまで別々に聞こえていた話が、どれも浅草という土地に根づいた信仰の話だと分かってきました。次に浅草寺を訪れるときは、雷門の提灯を見上げ、久米平内堂の扉ものぞいてみたくなります。

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